国内起債市場を斬る 起債評価:2/12~2/16

節分以降、前週からはじまった市場の変動が、多少なりとも起債市場にも影響を与えている。もっとも前年のこの時期も、民間企業の12月決算発表が終わったことなどから、公的セクターから民間企業へと起債の中心がシフトするタイミングである。2017年は、2月16日の木曜から民間セクターの起債が再開となり、翌金曜にかけて多くの募集が行われている。しかし、今年は、市場の不安定さもあって、16日の金曜日一発勝負である。

しかも、条件決定した顔触れを見ると、個人投資家向けの社債が四国電力とイオンモール、公共セクターが中日本高速道路とあって、純然たる機関投資家向けの社債となると、東京建物の3本立て、三協立山の初の起債、それにコンコルディアフィナンシャルグループの劣後債といったところになる。前年の木曜と金曜は、電源開発、ユニーファミリーマートホールディングス、三井不動産、セントラル硝子、リコーリース、協和エクシオ、伊藤園、首都高速道路、JR西日本、名古屋鉄道、三菱UFJホールディングスの個人投資家向け劣後債と多彩な顔触れであり、今年はやや物足りないといった感じが拭えない。

両年を通じるキーワードは、個人投資家向け、不動産、高速道路といったところだろうか。その中から不動産に注目してみると、2017年の2月に募集された三井不動産債は、日銀オペを意識した3年債250億円と20年債100億円の組み合わせであった。一方、今年の東京建物は、5年債100億円と10年債100億円に20年債150億円の三本立てである。20年債は当初50億円程度といわれていたのに、投資家のニーズが強く150億円まで増額されている。この20年債と5年債は良好な売行きであったようだが、10年債は苦戦したらしい。このネームで、10年の0.48%クーポン、国債対比+42bpsのスプレッドは必ずしも投資家の眼鏡には適わなかったようである。20年債は1.08%クーポンであり、クーポンが1%を越えたところが、良好な売行きを支えたものと考えられる。なお、同社の格付けは。JCRのA-格であり、三井不動産のAA格から見ると随分劣る。昨年の三井不動産の20年債は、0.929%で、1%に届かなかったのである。

売行きがもっとも良かったのは、コンコルディアフィナンシャルグループ(横浜銀行と東日本銀行の経営統合により誕生したフィナンシャルグループ)の期限付劣後債かもしれない。10年債であるが、5年経過時点での期限前償還が可能であり、クーポンが0.4%の固定から、6ヶ月円Libor+28bpsに変化する。通常は、期限前償還を前提とした5年債として考える債券であり、劣後プレミアムが上乗せになっている。金融機関の劣後債については、コールされない可能性は極めて低いことから、事業会社の劣後債とは異なり、早期償還前提での投資が現時点では可能だろう。

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