国内起債市場を斬る 大型連休特別号:4月の起債を前年と比較する

長く起債市場を見続けていると、起債のパターンがいつの間にか身についている。年度の初めには、どういった起債パターンアが多いものか。例年似たような状況が演出され、そう異なるものではない。2017年と2018年の4月の起債を比較してみよう。

業種という意味では、電力、ノンバンク、財投機関を含む公共セクターといったところが定番である。2018年度の最初に募集されたのは、4月5日の中国・北海道・北陸と電力会社であった。一方、2017年度も最初の4月7日は、中国・北海道の電力2社に、電源開発、さらには、JR東海と西日本鉄道の鉄道2社、日本政策投資銀行の財投機関債が募集されている。2018年度も、日本政策投資銀行と西日本鉄道は4月6日に債券を募集しているのだから、スタート銘柄の顔触れは、大きく異なるものではない。

しかも、2017年度の4月11日に社債を募集した東京センチュリーは、2018年度の4月6日に社債を募集している。2017年4月10日の週に機関投資家向けの社債を募集した残りの企業としては、日立キャピタル・関西電力・三菱UFJリース・トヨタファイナンス・東北電力・JR西日本・高砂熱学工業・DIC・ブリヂストン・北陸電力といったものがあったが、既に触れたように北陸電力は2018年4月5日に電力債を募集しているし、その他でも、2018年4月10日にDIC、4月11日に三菱UFJリース、4月13日にトヨタファイナンス・関西電力が、4月17日に日立キャピタルが、4月18日にJR西日本とほとんどの発行体が今年も4月中に社債を募集している。

メーカーの起債も、変に似通っているかもしれない。既に両年度に顔を出した銘柄として、DICを挙げたが、2017年4月に社債を募集した銘柄は、上述のDIC・ブリヂストンの他に、岡村製作所(現オカムラ)、宝ホールディングス、テルモ、豊田自動織機といった顔触れであった。2018年4月はDIC以外に、住友化学・デンカ・クラレ・サントリーホールディングス・デンソーが社債を募集している。共通するのは、業種である。両年に出てくるのは、豊田自動織機及びデンソーの輸送用機器、宝ホールディングス及びサントリーホールディングスの食料品、それに、DIC・住友化学・デンカ・クラレと化学である。年度の初めに化学メーカーが起債するのか、単なる偶然なのだろうか。鉄鋼とか機械とかが出てこないのも面白い。2017年は5月に入ると、鉄鋼メーカーであるJFEホールディングスと新日鐵住金の社債が16日に募集されている。今年も同様の展開になるような気もする。

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