10月9日(月)が祝日(スポーツの日)で三連休になり、四半期頭の出鼻を挫かれるのは、正月明けの年度第4四半期と同様である。米国の祝日を見ても、日付で決まっているもの(例えばIndependence Day;7/4)、〇月の第〇曜日と決まっているもの(例えば、Thanks Giving Day)とがあり、今年のように11/11のVeterans Dayの日が土曜日に当るため前日の11/10に振り替えるといった日本にはない前日への振り替えもある。日本の移動祝日は、ハッピーマンデーと呼ばれるように、月曜日を祝日として三連休の取得を促すものであるが、学校の時間割を考えると月曜日にやたら休日が多くなってしまい、カリキュラムに歪みが生じている。大学などでは祝日であっても開講日として対応しており、こと大学教職員に関しては学年暦を確認しないと祝日でも休めない状況になってしまっている。日本の祝日数は、いつの間にか先進国の中でも多い方になっており、勤労者が有給休暇を取得できない風土への対応としては適切なものと考えられるが、曜日や時期の偏りについては、将来的に再考の余地もあろう。加えて、日付に歴史的な意味のあった祝日を移動祝日にしてしまったこと(例えば1964東京オリンピックの開会日の「体育の日」は移動祝日に変わり「スポーツの日」となった)に対する批判は少なからず残る。
起債市場も、社債等の募集は週明けすぐには動けず週後半に偏りがちであるものが、月曜日が祝日であると、全般的に動きが鈍い。特に10月の最初の2週を見比べると、下期入りしてすぐに大きな動きのあった第1週より、この週の募集は数が少ないように見える。金額面で大きな案件としては、前週に三菱UFJフィナンシャルグループのAT1債計1,430億円の募集があったのに対して、この週は個人向け社債のため募集開始ではなく条件決定のみに留まったが、同じくメガバンクの持株会社である三井住友フィナンシャルグループがB3T2債計1,300億円が見られた。それでも、他に大型の案件がなかったため、メガバンクの持株会社債を除くと、前週よりも金額減が著しい。両方の週で見られた高速道路債の募集も、前週は西日本高速道路の計900億円があったのに対し、この週は首都高速道路300億円のみであった。
こういった状況の中で気を吐いたのが、相変わらずのSDGs債の募集である。ノンバンクを含め業種を問わず、数多くが募集されている。実例を挙げると、NECキャピタルソリューションが3年債と5年債で計106億円のサステナビリティボンド、前述の首都高速道路が5年債300億円のソーシャルボンド、東洋製罐グループホールディングスが5年債100億円のグリーンボンド、野村不動産ホールディングスが5年債及び10年債の計200億円のグリーンボンド、三井住友トラストパナソニックファイナンスが5年債のグリーンボンド144億円と、全般的に開示の観点からも発行額を控えめにした形で、募集されている。ややグリーンボンドが多く見られるのも特徴か。こうなって来ると借入金などの返済といった普通の資金使途で募集される社債の方が、却って新鮮に映るのは、筆者だけであろうか。